全国で書店の閉店が相次ぎ、「街の本屋」が減り続ける時代。
それでも東京・大塚駅前には、24時間営業を続ける書店があります。
2025年12月19日放送のNHK「ドキュメント72時間」で舞台となったのは「山下書店 大塚店」。
深夜から早朝まで、静かに灯りをともす書店には、時間も立場も異なる人々が集います。
本記事では、番組で描かれた72時間の風景とともに「山下書店 大塚店」が“眠らない書店”であり続ける理由を紹介します。
「山下書店 大塚店」について


基本情報
山下書店 大塚店
- 住所:東京都豊島区北大塚2丁目14-5 KYビル1階
- 電話:03-3915-2262
- 営業時間:24時間営業
- 定休日:なし
- 駐車場:なし
特徴
「山下書店 大塚店」は、JR大塚駅からほど近い場所にあります。
決して大型書店ではありませんが、専門書から文庫本、実用書まで幅広く揃い、昼も夜も変わらず本を探せる場所として長年親しまれてきました。
この10年で日本全国の書店は約3割が閉店したと言われています。
人手不足、売上減少、デジタル化の波。そうした逆風の中でも、山下書店は「24時間営業」というスタイルを手放しませんでした。
それは効率や利益だけでは測れない“書店の役割”を大切にしてきたからです。
ドキュメント72時間が映した「時間帯ごとの顔」


番組では、山下書店 大塚店の72時間を通して、時間帯ごとに異なる人の姿が映し出されました。
夜11時、居酒屋のアルバイトを終えた女性は「本は1日のシメ」と語り、静かに棚を巡ります。
深夜2時、ふと思い立って書道の本を探しに来た2人組は、ネット検索ではなく「実際に手に取って選びたい」と言います。
早朝5時半、工事現場の夜勤明けに立ち寄った男性は、自宅に1万冊以上の本を持つ愛書家。
疲れていても、ここに来ると自然と気持ちが整うのだそうです。
「山下書店 大塚店」は、誰かの生活の“すき間”にそっと入り込む場所として機能しています。
なぜ今も「紙の本」を求めて人は集まるのか
デジタル化が進み、情報はスマートフォン一つで手に入る時代。
それでも、深夜にわざわざ書店を訪れる人がいます。
棚を歩き、背表紙を眺め、偶然目に留まった一冊を手に取る。
そこには、検索では出会えない「余白」があります。
「山下書店 大塚店」は、その余白を大切に守ってきました。
24時間開いているからこそ、仕事帰りでも、夜勤明けでも、ふと思い立った瞬間でも、本と向き合うことができます。
時間に縛られない読書体験が、ここにはあります。
みやかつ私も個人経営の書店のお手伝いをしていますが、「紙の本」の需要はこの先も、ずっとあると思います。
「開いていること」そのものが価値になる場所
「山下書店 大塚店」は、派手なイベントを打つ書店ではありません。S
NS映えを狙う場所でもありません。ただ、必要なときに、必要なだけ、そこにあり続ける。
24時間営業を続けるという選択は、簡単なことではありません。
それでも灯りを消さないのは、「本を探したい人を断らない」という、静かな意思表示のようにも感じられます。
まとめ




2025年12月19日放送の「ドキュメント72時間」は「山下書店 大塚店」を通して、書店が人の生活に果たしてきた役割をあらためて浮かび上がらせました。
眠らない東京の一角で、24時間、本と人をつなぎ続ける場所。
デジタル時代だからこそ、その存在はより貴重になっています。
大塚駅前を訪れた際は、ぜひ「山下書店 大塚店」に立ち寄ってみてください。
そこには、あなたの時間にそっと寄り添う一冊が、静かに待っているはずです。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


