2026年9月11日放送のNHK『ドキュメント72時間』では、北海道・十勝地方の芽室町にある小さな日用品店が舞台となる。
食料品や飲み物、日用品だけでなく、ガソリンや軽油も扱う地域の生活拠点。
無料の休憩スペースには放課後の子どもたちが集まり、牧場で働く大学生や往診途中の獣医師、猫と散歩する女性など、さまざまな人が立ち寄る。
番組に登場する店は、芽室町上美生にある「みんなのお店KAMIBI(カミビ)」だと確認できた。
店舗自身も公式SNSで、NHKが72時間にわたって撮影したことと番組の放送を告知している。
この記事では、みんなのお店KAMIBIの場所やアクセス、誕生の経緯、地域で果たしている役割、番組の見どころを整理する。
北海道・十勝の小さな日用品店は「みんなのお店KAMIBI」
『ドキュメント72時間』の舞台となったのは、北海道河西郡芽室町の上美生地区にある「みんなのお店KAMIBI」だ。
店舗の公式SNSには、NHKの撮影班が店を72時間撮影し、「北海道・十勝 小さな日用品店で」として放送されることが記されている。
番組紹介にある「食べ物や飲み物、雑貨からガソリン・軽油までそろう」「無料で利用できる休憩スペースがある」という特徴も、KAMIBIの設備や営業内容と一致する。
KAMIBIは一般的なコンビニや個人商店とは少し異なる。
地域住民が設立したNPO法人によって運営され、買い物、給油、交流、移動支援を一つにつないだ住民主体の店となっている。
みんなのお店KAMIBIの店舗情報


みんなのお店KAMIBI(みんなのおみせ かみび)
- 住所: 〒082-0384 北海道河西郡芽室町上美生4線36-97
- 電話番号: 0155-66-2014
- 運営: NPO法人上美生
- 業態: 地域商店、ヤマザキショップ
- 取扱商品: 食料品、飲料、弁当、パン、菓子、生鮮食品、日用品など
- 営業時間: 午前8時から午後7時
- 定休日: 月曜日
- 駐車場: あり
- 併設施設: ホクレン上美生給油所、交流スペース「ふれあい広場 ひだまり」
- アクセス: JR芽室駅から車で約20分
住所は地図やサービスステーションの案内では「上美生4線36-97」、町の一部資料では「上美生4線36番地」と表記されている。
店舗は芽室町の中心市街地から南へ約16キロ離れた上美生地区にあり、日高山脈に近い農村地帯の生活を支えている。
KAMIBI誕生のきっかけはAコープの閉店
上美生地区では長年、JAめむろの「Aコープ上美生店」が地域の買い物を支えていた。
しかし、同店は2018年3月に閉店。
近隣で食品や日用品を幅広く購入できる店がなくなり、特に自動車を自由に使えない高齢者にとって大きな問題となった。
そこで住民たちは、自分たちの生活拠点を自分たちで残すため「NPO法人上美生」を設立。
旧Aコープの建物を活用し、2018年5月9日に「みんなのお店KAMIBI」を開業した。
開店までには住民や地域の関係者から寄付が寄せられ、その額は545万5000円に達した。
当初はパン、弁当、菓子、飲料、洗剤など約1000種類の商品に加え、魚、肉、野菜などの生鮮食品も用意された。
オープン当日は100人を超える住民が訪れたと報じられている。
KAMIBIは、企業が新たに進出してできた店ではなく、店を失う危機に直面した住民が立ち上げた「地域でつくる店」だった。
店名「KAMIBI」に込められた地域への思い
「KAMIBI」は、店がある上美生の地名から取られた名称だ。
上美生は「かみびせい」と読む。店名を短く覚えやすい「KAMIBI」とし、看板にも地域名を前面に掲げたことで、住民にとって自分たちの店だと感じられる存在になった。
正式名称が「みんなのお店KAMIBI」となっている点にも、特定の経営者だけの店ではなく、地域全体で守り育てる生活拠点という性格が表れている。
食料品から日用品までそろうヤマザキショップ
KAMIBIの店舗部分は、ヤマザキショップの仕組みを活用して営業している。
パン、弁当、飲み物、菓子といったコンビニに近い商品だけでなく、肉、魚、野菜、調味料、洗剤など、日常生活に必要な品を幅広く扱う。
周囲に大型店が少ない農村地域では、牛乳やパンを一つ買える場所があるだけでも生活の安心につながる。
自宅から遠く離れた町中心部まで毎回買い物に行かなくて済むことは、高齢者や子ども、農作業で忙しい住民にとって大きな意味を持つ。
番組に登場する牧場バイト帰りの大学生がパンを買う場面も、KAMIBIが観光向けの店ではなく、地域の日常に溶け込んだ店であることを象徴している。
ガソリンと軽油を販売する理由
KAMIBIにはホクレンの上美生給油所が併設され、ガソリンと軽油を販売している。
十勝の農村部では、通勤、通学、通院、買い物の多くを自動車に頼る。農業用車両や機械を動かす燃料も欠かせないため、地域内の給油所は単なる便利な設備ではなく、暮らしと産業を維持するインフラとなる。
食料品店と給油所を一体で残したことにより、住民は買い物と給油を同じ場所で済ませられる。
番組が「食べ物からガソリンまで大体そろう」と紹介する背景には、人口の少ない地域で必要な機能を集約する工夫がある。
無料休憩スペース「ひだまり」とは?
店内には「ふれあい広場 ひだまり」と呼ばれる交流スペースがある。
買った商品を食べたり、住民同士で話したり、休憩したりできる場所で、無料で利用できる。
放課後には子どもたちが集まり、宿題や勉強をすることもある。
地域の店が失われると、商品を買う場所だけでなく、人と人が自然に顔を合わせる場所も消えてしまう。
KAMIBIは売り場の隣に交流スペースを設けることで、住民の孤立を防ぎ、世代を超えたつながりを生み出してきた。
過去には住民が集まる「居酒屋KAMIBI」などの催しも開かれ、地域の情報交換や交流の場として利用されている。
住民が運転する地域交通「KAMI便」も運営
NPO法人上美生の活動は、店舗運営だけにとどまらない。
上美生地区とJR芽室駅周辺を結ぶ地域交通「KAMI便」にも取り組んでいる。
上美生から芽室駅までは約15キロ離れており、路線バスだけでは通学や買い物の時間に対応しにくい場合がある。
KAMI便では、必要な講習を受けた地域住民が交代で運転を担当。高校生の通学や、車を運転できない住民の買い物などを支える。
店、給油所、交流スペース、移動手段を住民主体で維持する仕組みは、人口減少や高齢化が進む地域における一つのモデルとして注目されてきた。
笑顔の裏にある「大変なこと」とは
番組紹介には「みんな笑顔。けど、大変なこともある」と記されている。
放送前の段階で、出演者が語る具体的な悩みの全容は明らかになっていない。
一方、KAMIBIが歩んできた歴史からは、農村部で生活拠点を維持する難しさが浮かび上がる。
人口が少ない地域の商店は、大量販売による利益を見込みにくい。
商品の仕入れ、光熱費、人員の確保、施設の維持、除雪などを続けながら、住民が利用しやすい価格と営業時間を守る必要がある。
買い物や移動に困る人を支える公共的な役割が大きい一方、運営は地域住民の協力や担い手に支えられている。
誰か一人の負担が増えれば、継続が難しくなる可能性もある。
番組では、KAMIBIを訪れる人々の笑顔だけでなく、広大な土地で暮らす不便さ、仕事や家族の事情、地域の将来に対する思いも映し出されるとみられる。
番組に登場する人々
番組予告では、牧場でのアルバイトを終えてパンを買いに来た大学生、飼い猫と散歩しながら店を訪れる女性、往診の合間に立ち寄る獣医師などが紹介されている。
放課後になると、無料休憩スペースへ勉強をしに来る子どもたちの姿もある。
年齢も職業も来店理由も異なる人々が、同じ小さな店で一時的に交差する。
特別な観光名所ではない場所にカメラを据え、そこを訪れる人の人生を映す『ドキュメント72時間』らしい舞台となる。
まとめ

2026年9月11日放送の『ドキュメント72時間 北海道・十勝 小さな日用品店で』のロケ地は、北海道芽室町上美生にある「みんなのお店KAMIBI」だ。
KAMIBIは2018年、地域唯一のAコープ閉店を受け、住民が設立したNPO法人によって誕生した。
食料品や日用品を扱うヤマザキショップ、ガソリンと軽油を販売する給油所、無料交流スペース「ひだまり」が一つになっている。
運営するNPO法人上美生は、住民が運転を担う地域交通「KAMI便」にも取り組み、買い物と移動の両面から暮らしを支えてきた。
小さな店に集まる大学生、子ども、獣医師、地域住民は何を思い、広大な十勝でどのような毎日を送っているのか。
店を守ってきた人々の思いと、笑顔の奥にある地域の現実が番組の見どころとなる。

