2025年11月16日放送の「ポツンと一軒家」で紹介されるのは、新潟県長岡市川口地域にある「手作り村 相川」。
昭和48年に集団移転によって無人となった旧・山ノ相川集落を、かつての住民たちが「自分たちの原風景を残したい」という想いで整備し直した“手づくりの村”です。
一度は消えかけた集落が、再び人の手で守られている・・・
この場所には、過疎化と再生が交錯する“日本の里山の今”が凝縮されています。
今回の「ポツンと一軒家」はここ!
みやかつ「手作り村 相川」は、普段は誰も住んでいないにもかかわらず、きれいに整備された耕作地や建物が残っており、“人の気配”を感じさせる不思議な空間です。
山ノ相川集落の記憶から始まった「手作り村」
「手作り村 相川」があるのは、長岡市川口地域の山あい。
昭和40年代、山ノ相川集落は生活環境や交通の便などの理由で集団移転を行い、谷を下った新しい集落に住民が移り住みました。残された山の集落は急速に荒れ始め、建物は崩れ、草木が覆い尽くしていきました。
それでも「このまま故郷を消したくない」と立ち上がった元住民の有志たちが、山道を整備し、看板を立て、散策路を造り、手作りで“村を再生”していったのです。
これが現在の「手作り村 相川」の始まりでした。
行政や地域の支援も受けながら、ふるさと創生事業や里山保全の一環として少しずつ整備が進み、今では地元の人々が季節ごとに集まる憩いの場となっています。
【現在の様子 】廃村と再生が同居する静かな空間




山道を進むと、雑草の生い茂る舗装路の先にぽつぽつと小屋が現れます。
入口には「手作り村 相川」と書かれた看板があり、「自由にお越しください」という案内文が訪問者を迎えてくれます。
ここでは、元住民の方々が自らの手で造った散策道や小屋が点在し、春には新緑、秋には紅葉が美しく映えます。
観光施設ではなく、あくまで“かつて暮らした人たちの手づくりの記憶”が形を残す場所。
訪れた人は、懐かしさと静寂に包まれながら、人の営みの痕跡を感じ取ることができます。
また、この地域は長岡市による里山再生や地域づくり事業の一環として、遊歩道や案内看板の整備が行われており、地域活性化の象徴的存在にもなっています。
訪問の際に注意すること
「手作り村 相川」を訪ねる場合は、舗装こそされているものの山道が続くため、スニーカーや長靴など歩きやすい靴がおすすめです。
車でのアクセスも可能ですが、細い道が多いため、すれ違いには十分注意が必要です。
現地では、静かな森に囲まれた山小屋、旧集落跡の石垣、そして“村を守り続ける人の手”を感じる看板や案内板が見られます。
観光地のような華やかさはありませんが、その代わりに“時間の止まった風景”と“人の想いの温度”を感じることができる場所です。
まとめ
今回の記事では「ポツンと一軒家」で紹介された新潟県長岡市の「手作り村 相川」について、その歴史と背景を紹介しました。
ここは、集団移転で消えた村をもう一度人の手でよみがえらせた“再生の村”。
廃村でありながら、生きた里山として今も静かに呼吸しています。
もしあなたが、過疎の現実や人の営みの温もりに触れたいと思うなら、この「手作り村 相川」を訪ねてみてください。
きっと、消えかけた記憶の中に残る「日本の原風景」と、人が生きる意味を静かに語りかけてくれるはずです。
今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

