【古民家購入の注意点とアドバイス】実際に改修を手がけて分かった失敗しないための心得

古民家の購入やリノベーションは、憧れの田舎暮らしを叶える魅力的な選択肢です。

しかし、実際に改修を数件手がけてみると、想定外の費用や劣化、地域特有の課題など、注意すべき点が多いことに気づかされます。

この記事では、筆者が古民家改修を通じて得たリアルな経験と、ネット上で挙げられている追加の注意点をまとめました。

これから古民家を購入しようとしている方の参考となれば幸いです。

目次

① 築年数より「空き家になってからの年数」に注意する

古民家を購入する際、多くの方が築年数を気にしますが、実際には「空き家になってからの年数」が非常に重要です。

家は人が住まなくなると急激に劣化が進みます。

特に湿気が多い地域や北国では、冬の間の凍結・結露・雪の重みによって柱・梁・基礎などが傷み、わずか1年でも状態が大きく変化することがあります。

気候が温暖な地域でも経験上、3年以上空き家になっている物件は要注意です。

見た目がきれいでも、床下や天井裏の腐朽、シロアリ被害、水回りの劣化などが進んでいるケースが多いです。

アドバイス:購入前には必ず専門家による建物診断(ホームインスペクション)を受け、劣化の程度を確認しましょう。

② 残地物は「使えるもの・売れそうなもの以外は処分してもらう」

古民家購入前に残されている家具や廃材などの残地物は、売れるものや必要なものを除き、売主に撤去してもらうように交渉しましょう。

残地物の処分には、想像以上の労力と費用がかかります。

アドバイス:私の経験上、売れるものや使用できるものはすでに親族が持ち出しているケースがほとんどで、残地物は基本的に無価値なものばかりでした。
そのため、「残置物撤去済み」での引き渡しを契約条件に入れておくことを強くおすすめします。

③ 大きすぎる物件は控える

「せっかくの古民家だから」と広大な敷地や母屋を選びがちですが、大きい物件はその分リフォームも維持も大変です。

屋根や外壁、配管、断熱など、修繕範囲が増えることでコストが一気に跳ね上がります。

さらに掃除や庭木の手入れも日常的に負担になります。

アドバイス:現実的に管理できる広さを見極めることが大切です。理想よりも「維持できる規模」を優先しましょう。

④ 自分でリフォームできそうな物件を選ぶ

リフォーム費用を抑える最大のポイントは、「自分でできる範囲を増やすこと」です。

YouTubeやSNSには、壁の塗り替えや建具の修繕、床板の張り替えなどのDIY事例が数多く紹介されています。

アドバイス:自分でできる範囲を明確にしておきましょう。大工仕事・電気・水道など、専門資格が必要な部分はプロに任せる方が安全です。

⑤ 自分でできない箇所は業者に任せ、必ず複数社に見積もりを取る

古民家は構造が複雑で、同じ修繕内容でも業者によって見積もり金額に大きな差が出ることがあります。

耐震補強、屋根修理、断熱工事、水回り改修など、専門性が高い工事は特に慎重に選ぶ必要があります。

アドバイス:最低でも3社から相見積もりを取り、内容と価格を比較検討しましょう。
見積もり書は「必須工事」「希望工事」に分けてもらうと、優先順位をつけやすくなります。

みやかつ

リフォームの一括見積もりは下記のバナーからがおすすめです。
一括で数社に見積もり依頼が出せるので楽ちんです♪

⑥ 建物の耐震・断熱性能を確認する

古民家の多くは、現行の耐震基準(1981年改正)を満たしていません。

また、断熱性が低いため、冬は寒く夏は暑いという住環境になりやすいです。

購入後に断熱改修を行う場合、壁や床を剥がす大規模な工事が必要になることもあります。

アドバイス:購入前に「耐震診断」「断熱診断」を行い、修繕が必要な範囲を把握しておきましょう。

⑦ インフラと法的制限をチェックする

古民家物件では、上下水道・電気・ガス・インターネットなどのインフラが未整備の場合もあります。

特に井戸水や浄化槽、プロパンガスなどを使用している地域では、維持管理や交換費用が思いのほか高くなることがあります。

また、土地が農地や山林に分類されている場合、そのままでは住宅や店舗への用途変更が認められないケースがあります。

市街化調整区域にある物件では再建築が不可能な場合もあるため、購入前に必ず確認が必要です。

さらに注意したいのが、古民家をカフェや民泊などに転用する場合の法的制限です。

営業目的で建物を使うには、建築基準法・消防法・旅館業法など、複数の法律を満たす必要があります。
たとえば、

  • カフェ営業を行う場合は飲食店営業許可(保健所管轄)
  • 民泊を行う場合は住宅宿泊事業法(民泊新法)または旅館業法の許可
  • 来客を受け入れる施設は避難経路・火災報知器の設置基準にも適合する必要

などの条件が課せられます。

アドバイス:古民家を住居として使うだけでなく、カフェ・宿泊施設などに活用する場合は、購入前に必ず自治体の建築指導課・保健所・消防署に相談し、「その用途で営業可能か」「改修にどの程度の費用や基準が必要か」を確認しておきましょう。
特に市街化調整区域内では営業利用が制限されるケースが多く、思い描いた用途が実現できないこともあります。
法的条件を把握せずに購入してしまうと、リノベーション費用をかけても営業許可が下りないという最悪の事態になりかねません。

⑧ 地域との関係と維持管理を考える

古民家での暮らしは建物だけで完結しません。地域との関わりや日々の管理も重要です。

特に山間部では、草刈り、雪下ろし、害獣対策などの作業が必要になることがあります。

アドバイス:購入前に地域の雰囲気や自治会活動を確認し、自分のライフスタイルと合うかどうかを見極めましょう。
また、将来的に体力的負担が増えることも見越して、管理委託や地元の業者との協力体制を検討しておくと安心です。

まとめ

古民家の購入は、夢とリスクが隣り合わせです。

「安いから」「雰囲気がいいから」といった理由だけで決めるのではなく、建物の状態、管理の手間、費用の見通しを冷静に判断することが大切です。

特に、空き家期間・残地物・規模・業者選び――この4点は失敗事例が多い部分です。

私自身の経験からも、購入前の確認と準備がすべてを左右すると感じています。

この記事では、古民家購入時に注意すべきポイントと、実践的なアドバイスをまとめました。

後悔のない理想の暮らしを実現するために、ぜひ参考にしてみてください。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

シェアして頂けると嬉しいです
  • URLをコピーしました!
目次