其の64　アゲハ蝶のアゲちゃん

○月○日（金）晴れ

今日は、とても綺麗なアゲハ蝶のアゲちゃんとお友達になりました！！

秋を感じるコスモスに、アゲハ蝶さんがとまってました。

カブ 「綺麗だなぁ〜」

アゲ 「なんか御用ですか？」

カブ 「いえいえ、あなたがあまりにも綺麗だったので、見惚れてました」

アゲ 「エェ〜嬉しぃ〜！！そんなん言われたことないわ。カブトムシさんも素敵ですよ！！あははは」

意外と気さくなアゲハ蝶さんでした。

カブ 「私の名前はカブと言います。あなたは？」

アゲ 「そっちに行くわ〜。ちょと待ってな」

ヒラリと降りて来てくれました。

アゲ 「私はアゲです。アゲちゃんって呼んでな！！学名はたぶんナミアゲハちゃうかな？知らんけど」

気さくなアゲちゃんと、お喋りをしていくうちに、カブは楽しくなりました。

でも季節は秋なのに、外はまだまだ暑いので喉が渇いてきました。

カブ 「良かったら、ウチで飲み物でも飲んでいきませんか？立ち話もなんですし・・・」

その言葉を聞いたアゲちゃんは、カブの手を握ってきました！！

アゲ 「カブちゃんはミックスジュース作れる？」

突然の申し入れに、ちょっと戸惑いながら

カブ 「えっ？！多分・・・材料はあるので・・・」と答えました。

アゲ 「うち死ぬ前に一度、ミックスジュースを飲んでみたかったねん！！」

急な話でしたが、アゲハ蝶は寿命が短いと聞いたことがあったので、願いを叶えてあげたくなりました。

カブ 「じゃあ、美味しいミックスジュースを作って飲もうね」

アゲ 「わーい！！めちゃくちゃなこと言ってるのに、ありがとう！！」

手を繋ぎながら、カブの家まで行きました。

早速、ミックスジュースの材料をミキサーに入れます。

アゲ 「バナナにミカンとモモの缶詰に牛乳！！完璧やん！！」

アゲちゃんは大喜びです。

ミキサーで、ガーッと回します。

アゲちゃんの口数が少なくなり、ドキドキしているのが伝わってきました。

カブも美味しくなって欲しいと願いました。

アゲちゃんがじーっと、カブがミックスジュースをコップに注ぐのを見つめていたので、緊張しちゃいました。

「いただきま〜す！！」

アゲ 「めっさ美味い！！なんやこれ！！」

のけぞって喜ぶアゲちゃんの姿に、カブはホッとしました。

アゲ 「突然のお願いやったのに、ありがとうな！！最高やったわ！！」

とても喜んでもらえて、カブも嬉しくなりました。

ミックスジュースを飲み終わった後は、しばらくお喋りをして楽しみました。

カブ 「さっきのモモ缶の残りに、ゼラチンを入れたのが冷えたと思うんだ♪」

アゲ 「えぇぇぇ！！カブちゃんめっちゃ凄い！！」

モモ缶を逆さまにすると、モモとシロップのゼリーが、上手く出来上がってました！！

アゲ 「めちゃめちゃ凄い！！」

アゲちゃんは大興奮です！！

アゲ 「これがゼリー？！初めて見たわ〜。めっちゃ綺麗やな！！」

作ったカブも、なんだか嬉しくて興奮しました！！

ゼリーも二人で美味しく頂きました。

アゲちゃんの願いを叶えられて良かったと思いました。

その後も、アゲちゃんと会う機会が多々ありました。

聞けばアゲちゃんは長生き系アゲハ蝶だったそうです。